日本の沿岸『なぎさ』の第一人者より学ぶ  連載ー3

  田中 : そうです。そこのところで、まあ、な ぜ安山岩を入れたかという経緯があるんですね。 実はそれは、逗子には、磯の上に徳富蘆花の 不如帰の碑があるんです。これはどうゆう石か というと一 昔前に江戸時代にですね、江戸城 を築城する為の石を持ってきました。真鶴か ら。
宇多 : 真鶴から。
田中 : それが途中で逗子の磯の高波にあって 難破しました。それが、長年磯の上に乗っかっままになってたようてす。それで、当時その石は、 鍋島石と呼ばれていました。それがずっと 長年あったもんですから、それを町制20周年 の時に引き上げてこれを碑にしようということで、この碑ができたわけなんですね。

宇多なんだっけ、近くに人工島があったよ
田中 : ええ、和賀江島のことですね。

宇多 : これも、運んできたやつだよな
田中 : 河原石を船で運んできたもので、1ヵ月足らずで作った日本最古の防波堤のある港 です。ここもサーフポイント(タマイシ)なんですよ。 
宇多 : あそうなんだ。 
田中 : そうなんです。
宇多 : 鎌倉時代?
田中 : はい、確か...(1232)
宇多 : これは結構、長持ちしてるね
田中 : ええ。
宇多 : いいんだねー。
田中 : 一ケ月足らずの非常に短い期間で作っ たっていう人工的な日本最古の港なんです。
 宇多 : わかったよ。じゃさっきのは、その目 的からすると、漁場の整備で安山岩を入れた んだな。
田中 : そうです。そうです。それに貝が付くっ ていうことを漁師が見つけて、それで安山岩の 投石が始まったわけです。
宇多 : それはだけどさ、ここに元々の磯にあ るんだな。 ここは砂岩だと思うよ。 

田中 : もともとは、砂岩です。石碑調査の時 に他にも同じような石があるんじゃないか、 ということを、まあ、聞いたわけですね。そ したらば漁師がなかなか教えない。なぜかっ ていうと、そこが漁場になってからだという ことがわかったんですね。で、彼らは安山岩に はいっぱい貝が付くっていう発見をしてたわけ ですね。
宇多 : 御幸が浜もそうかいあれ、
田中 : あれは違います。
宇多 : あれは確か、伊豆で一回海に沈めてお いたものを使ってた?
田中 : そうです。
宇多 : そして、それをそのまま持ってきてた。 そしたらトコブシやらアワビがついた。
田中 : そうです。あれはテトラなんです。古 いテトラポットなんです。
宇多 : だから、そうゆうことをするというの はよく、まあ、秘密の話もあるけれども。考 えればできるんだよな。 
田中 : ですね。それで、安山岩は非常に貝に 良いと、カルシウムが入っているのか、鉄が入っ ているのかはわかりませんが、成分的に非常に付くということで、付き磯を安山岩の自然石 で作ることによって海底に、新しい漁場がで きるという事実があるわけですね。 

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