神奈川県の回答に対して、再考願いを提出しました。(30年8月12日)
神奈川県知事
黒岩祐治殿
神奈川県知事特別秘書
千田勝一郎殿
神奈川県環境農政局農政部水産課長
神奈川県県土整備局河川下水道防砂海岸課長
峯村 徹哉殿
神奈川県水産技術センター企画資源部主任技師
片山俊之殿
神奈川県県土整備歌仙河川下水道部砂防海岸課なぎさグループグループリーダー
荒井千里殿
神奈川県環境農政局水・緑部 水産課港湾グループ技師
川上亮一殿
「磯焼け対策協議会」の提案と設置の要望書についての返答に対する再考願い
大変御返事が遅くなりましたが、どうしても回答に見解の相違があるため
ご再考を願い申し上げます。
1)5月2日付けでいただいた(回答)に対して(差戻し)ー
まず、私の3月9日に提出させて頂いた要望書は、黒岩祐治知事宛でありましたが、
5月2日付けの(回答)書には、黒岩知事のお名前がなかったため
山本有二代議士にも報告ができかねて困っております。
次回の回答には、黒岩知事と千田秘書のお名前が明記されている書面でお願い申し上げます。
ここまでの流れ:
平成27年10月1日衆議院会館にて、スポーツ庁オリンピック・パラリンピック大臣政務官
山本ともひろ代議士と会談、東京オリンピック・パラリンピックに向けての
私たちの活動に理解と協力を約束して頂きました。
平成29年3月25日にNPOアイデアルリーフの第一回ジャパンエコモーションの講演会
『日本のサーフィンテクノロジーの未来と可能性 ブーメラン型人工リーフのサーフポイント』
を主催した際にも山本ともひろ衆議院議員より大事なコメントの電報を頂いております。
更には、平成30年2月1日衆議院会館にて山本有二前農林水産大臣と会談し、
『NPOアイデアルリーフ』の今までの活動と今後の活動に対してご理解とご賛同いただき、
数日後、千田秘書から、お電話をいただき何回かの日程のすり合わせを行い
平成30年3月9日に県庁において知事以外の皆様とお会いした経緯がございます。
また、回答の内容においても見解の相違点が数箇所が有りますので、ご再考の上
黒岩知事の名前にてご回答をお願い申し上げます。
見解の相違点;
回答文中;
「一方、投石やブロック投入といった海藻類の付着基質の設置による藻場造成は、磯焼けの
原因の除去にならないことから、一時的に海藻が繁茂したとしても、やがて周囲と同様の
磯焼けとなり、食害が主な海域では効果が発現・持続しないと指摘されており、これ
は本県にも該当すると考えております。』
上記 『この効果が、発現・持続しないと指摘した』論文と研究者の名前をお知らせください。
神奈川県下においては、磯場再生のために多くの研究者や関係業者が、
日夜日本の海の環境再生技術を発展させる為に地道な努力をしておられます。
黒岩知事におかれましてもスキューバダイビングを通じ
海の環境のことには見識が深いと聞き及んでいます。
私たちの基礎情報としての論文(同封−1)、2009年に発表された
『人工リーフへのカジメ藻場移植と群落の拡大に関する研究』(水産工学学会賞受賞)
には、2004年に一時的にアイゴなどの食害にあったが、
2006年から2009年の間に藻場の再生は著しいとしています。
また、波のある流速の速い場所においては食害にあいにくかったとも結論づけています。
小田原の御幸の浜に設置された潜堤に新たな磯場が出来、漁場として現在も魚貝類の水揚げが増加している。
ところが、2007年2月水産庁が発行した『磯焼け対策ガイドライン』P135
2015年全国漁港漁場協会発行の『改訂 磯焼け対策ガイドライン』P146
に引用されている部分は、2006年発表の桑原久美氏の古い2004年の調査結果が元となっており、
今回頂いた回答のような
『潜堤による藻場の拡大が、磯焼け対策としての・・・・効果の発現・持続しない』と
結論付けた根拠となる最新のデータをご提示下さい。
上記2009年に発表された木下淳司氏の論文内容と私たちが2017年に行った調査結果、
これまでの活動の基本概念や国会議員の方々意向と大きな認識の違いがあります。
『2004年10月の調査により食害にあった』古いデータが、誤解を招いているとも考えられます。
私たちは、すでに2017年4月16日御幸の浜の現地調査を行い、潜堤に藻場の成育を確認しています。
また、ここは潜堤が設置される以前は漁場ではなかった所ですが、この日も漁師が、漁をしておりました。
潜堤場所 ー 小田原 御幸の浜 潜堤現地調査、https://youtu.be/mPuCasYIYEc
https://youtu.be/fYmq9ry0UwQ
https://youtu.be/fYmq9ry0UwQ
投石場所 ー 逗子カブネ逗子マリーナ沖海底 現地調査 を行いカジメ類の藻場を確認しました。
神奈川県水産研究の磯やけの研究調査は、数年前から始まっておりますが、荒崎周辺のみの調査で、
他の都道府県より出遅れ感が有り、現在のところでは、発表できるデータがないという状況下です。
早急な対応と御幸の浜や逗子沖の実態調査を実施することを提案します。
また、国土交通省と神奈川県土木事務所の設置した離岸堤や、突堤により起こった磯の消失例と潜堤との
比較することなく、小田原御幸の浜に起きた磯の一時的な食害のデータのみで、
せっかくの潜堤の磯場再生の有効なデータをネガティヴデータの様に神奈川県の管理者が、
理解しているところを指摘いたします。
さらに、美しい神奈川の景観を損ねている離岸堤やテトラポットの積み上げによる防波、防砂システムは、
明らかに環境と景観を阻害しています。
一方、小田原御幸の浜に設置された潜堤は、前回も添付したパンフレットにまとめられた
防波、防砂機能の調査結果では有意差を持ってに優れており、景観を損なうこともありません。
しかも、藻場の再生という未来型のシステムの蓄積デーを神奈川県が所有しているのです。
ただし、パンフレットにも明記されている地元民にも利益となる『マリンレジャー』の要因の
目標項目が、欠落しています。
今回も添付させて頂いた早川沖に設置予定の潜堤に逗子沖で長年
漁場拡大に成果を示してきた真鶴安山岩による『付き磯事業』を専門家の神奈川在住の
日本一の波の研究者;鈴木高二朗博士や、なぎさ総合研究所長の宇多高明博士と
藻場再生の研究者;木下淳司氏と漁組関係者、一般県民、ボランティア団体と管理者の神奈川県が
話し合いの場を設け、追加工事(工事費約3,000万円)による子供用のサーフゲレンデなどのデザインが、
また、先に要望した『磯焼け対策協議会』の設立が無理であれば、
神奈川シープロジェクトのテーマの一つとして、未来の神奈川に向けての
『海底環境とビーチパークプロジェクトのデザインについて』(案)
の話し合いの場を早急に開催して頂くことをここに再度要望いたします。
NPOアイデアルリーフ 代表 田中俊樹